海外ドラマ

ジーニアス:アレサ

ソウルの女王の激動の人生を駆け抜ける、ファミリー向け伝記シリーズ!

Genius: Aretha
2021年 アメリカ カラー1:2サイズ 44~50分 全8話 Tumbleweed Productions 20th Television/ナショナル ジオグラフィック Disney+で配信
企画・脚本:スーザン=ロリ・パークス 製作総指揮:ロン・ハワード、ブライアン・グレイザー、スーザン=ロリ・パークス
出演:シンシア・エリヴォ、コートニー・B・ヴァンス、マルコム・バレット、レベッカ・ナオミ・ジョーンズ、デヴィッド・クロス ほか

 2021年は劇場用伝記映画『リスペクト』(2021)、1972年のゴスペル・ライヴ映画「アメイジング・グレイス/アレサ・フランクリン」(2018)が公開され、ときならぬ “ソウルの女王”アレサ・フランクリン・ブームだったが、ピーター・バラカン氏によれば発音は「アリーサ」らしい。家族にも「リー」と呼ばれていたようで、映画では駆け足で説明された生い立ちや家族との確執をじっくり描く全8話のテレビシリーズがこちら。ナショナル ジオグラフィックの「ジーニアス(天才)」シリーズの3本目で、以前の作品が「アインシュタイン」「ピカソ」となると、アリーサへの並々ならぬ敬愛ぶりが感じ取れる。

 アリーサを演じるのはブロードウェイ版『カラーパープル』でブレイクし、
元祖奴隷解放運動家を描いた西部劇『ハリエット』(2019)でアカデミー主演女優賞と歌曲賞にノミネートされたロンドン生まれのシンシア・エリヴォ。本物のアリーサよりも線が細いので少々おおらかさに欠けるとはいえ、全編素晴らしい歌と演技を披露している。

 予想通りの構成ではあるがと、大人になったアリーサと子供の頃の思い出が交互にカラーとモノクロで登場するので飽きさせない。高名な伝道師でキング牧師とも友人だった父親CL=クラレンス(コートニー・B・ヴァンス)は、娘を溺愛し歌手として育て上げる。・・・のわりには娘の私生活ほったらかしで、自分も女遊びがやめられず隠し子までいる。アリーサは13歳で長男を出産、15歳で次男もできる。このあたりは、本人も生前ははっきり認めていなかったのかウィキペディアでは、はしょられている(英語版には記述あり)のだが、このナショジオ版も、会話で説明されるだけ。 
 やはり興味深いのはマーティン・ルーサー・キング・ジュニア牧師との交流(仕事をほったらかしてチャリティに協力)とか、例の「アメイジング・グレイス」ライヴで監督シドニー・ポラックをバカにしてる態度とか、あとは妹が成功しかけると横から出てきてそのチャンスを摘み取ってしまうアリーサのわがままぶりなど(それでも、すぐに仲直りしてる仲良し姉妹)。
 まあ、妊娠も出産も殺人もほとんどが会話かテロップで説明されてしまうのは、家族向け番組としての配慮だろうか・・・あ、ブルース・ブラザースとの共演もセリフだけだった。

 ロックやポップス寄りのアプローチを試みていた部分が飛ばされているのは残念だなあと思っていたら(「明日に架ける橋」は後で重要な場面に流れる)、アリスタと契約した1980年代になると、突如“本物”のMTVが流れてユーリズミック(アニー・レノックス)とデュエット!
 権利問題とかあるのかもしれないが、なんとも不思議な構成は、製作の終盤に息切れしたということだったのかもしれない。
 もう一つ残念なのは、歌の歌詞の訳がでないこと。歌詞に合わせてドラマが進む部分もあるのだが、字幕なしでは意味がまったくわからない。
 結局のところ、アリーサが“ジーニアス=天才”であることはあまり描かれていなかったような。唯一、ピアノの上にピザの箱を置くか置かないかで音が違うと言い張っていたことくらいで・・・いいのか、それで。

Disney+ はこちら

By 無用ノ介

日本語トレーラー3/4話

日本語トレーラー 最終話