ウィズアウト・リモース

「暴れん坊将軍」くらい、この先どうなるかが読めまくる!ウルトラ定番CIAもの!

Tom Clancy’s Without Remorse
2021年 アメリカ 109分 パラマウント・ピクチャーズ Amazon Primeで視聴可能
原作:トム・クランシー 監督:ステファノ・ソリマ 脚本:テイラー・シェリダン
出演:マイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・ベル、ジョディ・ターナー=スミス、ジャック・ケシー、ルーク・ミッチェル、ジェイコブ・スキピオ、コールマン・ドミンゴ、ガイ・ピアース ほか

 元々はれっきとした映画である。パラマウント映画は本作を2020年に完成させたが、コロナ禍で物理的な劇場での公開を見送り、アマゾンさんへ売っぱらったという経緯がある。というわけで、Amazon Prime独占での公開となった。
 トム・クランシーの原作『容赦なく』は、1993年に出版されていて、そのすぐ後から映画化の話は起こり、最初に版権を取得したサボイ・ピクチャーズはキアヌ・リーブスを想定していたが実現しなかった。そのあと企画は色々迷走した挙句に、主役がマイケル・B・ジョーダンに落ち着いて撮影を開始したのが2019年。その間に、話の内容が陳腐化してしまったというのは否めないだろう。それはわかるが・・・。
 さすがにメジャーの映画なので、脚本が酷すぎとか、演技がへぼへぼとか、撮影がダメとかはない。安心して見られる。『復讐のガンマン』や『血斗のジャンゴ』の監督、セルジオ・ソリマの息子である、イタリア人監督ステファノ・ソリマの演出は、特徴もないが、悪くはない。
 しかし、すでに「HOMELAND」シーズン1から8までを見た人間に、今更、これを見ろというのは厳しいですぜ!(笑)

 オープニングは、シリアのアレッポでの海兵隊による秘密ミッションから始まる。CIAの担当官リター(ベル)の指示で、敵の隠れ家から捕虜を救出するミッションのはずだったが、メンバーのジョン・ケリー上級兵曹長(ジョーダン)とその上司、カレン・グリア少佐(ターナー=スミス)は、CIAにはめられたことを知る。ケリーが撃ち殺した兵士は、シリア兵ではなくロシアの兵隊だった。確かに人質はいたが、そこはロシアの武器輸出の取引現場で、武器庫でもあったのだ。
 場面はさらりと変わって半年後のワシントンDC。ジョン・ケリーは、退役し、美人すぎる出産間近の妻と、そこそこ高級そうな自宅でホームパーティーを開いている。黒人の退役軍人にしては、裕福そうな暮らしだが、美人の奥さんの父親は大学教授らしく、お金持ちの設定なのだろう。でも、こーゆー絵に描いたような幸福というのは、もちろん次に起こる悲劇を、十二分に、いや暴れん坊将軍級に感じさせてしうまうのだ!そして、その心配は的中します。
 よりによって、ケリーは眠れないので、地下室でヘッドフォンで音楽を聴いている。その間に侵入したプロ集団は、妻とお腹の子供を惨殺。途中で気がついた、ケリーは殺し屋たちを殺害するが、主犯だけを取り逃がしてしまう。襲われたのは、ケリーだけでなく、作戦に参加した隊員たちは次々襲われていた。

 元上司のグリア少佐を通じてCIAのブリー・フィングを受けたケリーは、この殺害がロシア連邦保安庁(FSB)による暗殺だと知らされる。復讐の鬼と化したケリーは、当然のように妻を殺した殺害犯の名を聞き出すために、元FSBでロシア大使館職員として在米中のワシリエフ(メラーブ・ニニッゼ)を拷問の上殺害して、犯人の名前を聞き出した。そのために有罪となり、刑務所に入れられるが、CIAと人の良さそうな国防長官トーマス・クレイ(ピアース)の助力で、房から出されて特殊作戦への参加を許されるわけです。よくある話。

 今回は特殊チームを作って、ロシア本土のムルマンスクに潜伏中という、ケリーの妻を殺した復讐作戦の主犯、ヴィクトル・ルイコフを捕獲しようというのだ。いくら何でもけっこう無象な作戦に思えるが・・・へへへ、もちろん罠ですぜ〜!
 というかいろいろい見えすぎで、ずいぶん前に全部黒幕は、多分こいつだあー、というのもわかってしまっている。
 ガイ・ピアースのいい人すぎる国防長官は、少々軽すぎ。まあ、トランプ政権下なら、このくらい馬鹿そうな奴がやっている・・という設定なのかもしれないが、ほぼオーストラリアの不良になれない「不良探偵」くらいにしか見えなくて笑えます。
 
 もちろん、ジョン・ケリーはなんとかロシアから帰国し、黒幕を暴いた上で復讐をとげますが、重罪犯なので国内では暮らせず、作戦で戦死したことにして、CIAのケリーが用意したパスポートで海外に出国します。その時、CIAがテキトーに用意した名前がジョン・クラークで、このクラークが、クランシーの「ジャック・ライアン」シリーズに登場する国際特殊部隊「レインボー・シックス」の創立者になる・・という設定らしいです。この「レインボー・シックス」の活躍を描いたクランシーの小説『レインボーシックス』も合わせて映画化はすすめられているようですが・・ま、もうご勘弁願いたいです。(笑)

by 寅松

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