海外ドラマ

ポーラ 情事の代償

これ、情事の代償かよ?っていう驚愕展開のヘンテコドラマ!

Paula
2017年 イギリス カラーHD 60分 全3話 Cuba Pictures/BBC Two Aamzon Prime、Hulu、FOD(フジテレビ・オンデマンド)等で視聴可能
クリエイター:コナー・マクパーソン 監督:アレックス・ホームズ
出演:デニス・ゴフ、トム・ヒューズ、オーウェン・マクダネル、シーン・マッギンリー、シヴォーン・カレン、エドワード・マクリアムほか

 主人公は、お堅そうなポーラ(ゴフ)という高校の化学教師の美人さん。彼女は、妻子持ちの体育教師フィリップ(マクリアム)と不倫関係にあったようなのだが、その関係を終わらせようとしていた。しかし、男の方はまったくノーテンキで、もう一度やらせてくれと学校でも迫ってくる始末。
 ポーラは、校長からも怒られるし、正直うざいと思っている。そんな時、自宅の古い地下室から物音がして、ポーラは悲鳴をあげる。街でチラシを配っていた便利屋の男を家に呼んで、地下室を調べてもらうと、その若いイケメンの便利屋ジェームズ(ヒューズ)は大きなネズミを退治して、後日壁を修復する工事に来るというが・・。ポーラは、なんだかぽっとなっていまって、この男ともやってしまうぞ!。あれあれ?
 しかし、この男は、思いっきり危ない奴でありました。幼い子供をつれてチラシを配らせていた2人の女たちの事を「従兄弟たちと住んいる」と言い訳しているが、両方とも愛人らしく、彼女たちがそれぞれ産んだ幼い子供も狭いアパートで同居している。ジェームズは、愛人と子供達を過剰な暴力で支配するサイコ野郎なのだ。
 工事に訪れたポーラの家で、フィリップが家の外に車を止めて復縁を迫る姿を覗き見したジェームズは、フィリップがポーラに書いたメモを盗み出した。なるほど、そーゆースリラーでこれから真面目なポーラがひどい目にあうんだな・・と納得していると・・目が点に!
 だいたい、このジェームズはとんでもなく無軌道だ。フィリップのことは意味なく殺してしまうのだが、そのほかにもポーラに付きまとって、無軌道な犯罪をエスカレートさせる!ポーラは早くから警察に、ジェームズが犯人に違い無いと訴え、担当した刑事のマッカーサー(マック)は信じてくれるのだが、たまたまどさくさに紛れてマッカーサーの上司になってしまったライバルの刑事は間抜けを絵に描いたような男で、どんな深刻な犯罪が起こっても本格的な調査を許さない。
 これではポーラは一体?と思っていると、異変が!ポーラは、離婚して子供が2人いる人のいい刑事マッカーサーともやっちゃって、しかもなんだかすごく強い感じになってきたぞー!
 ジェームズの複雑な過去や、ポーラの子供の頃の体験などなど、いろいろな伏線が現れて、2本目の終わりの方では、そんな驚愕の展開なのか!?想像させるが、結局のところ、重要なジェームズとポーラの根本的な関係は説明されず、代わりにポーラさん大暴走で凄まじい展開になる。いやあ、これでいいのか!?
 やたらに酒も飲むが、激情に走ってセックスしちゃう登場人物ばかり、貧弱な住宅環境(ポーラの弟なんて、貸し倉庫に勝手に住んでいる)なのに、子供が多いのは??と思っていると、これはイギリスではなくて北アイルランドで撮影されたドラマでした。どちらかというと、事件に巻き込まれちゃってる、人の良さそうな刑事マッカーサー(マック)は、「キリング・イヴ」の方でも人のいいイヴの(ポーランド人)夫を演じていたオーウェン・マクダネル。
 クリエイターの、コナー・マクパーソンは舞台演劇の人なので、少し曖昧でファンタジックな部分を狙ったのかもしれないが、全3話で話を詰め込んだミステリーでは、そんな余韻を残す余地もなく、単に意味不明の話になってしまっている。
 突っ込みどころは多すぎて、どうこう言う以前に超変わった作品です。
 ある意味パンクな展開ということだけは評価できるけど。

by 寅松