アストリッドとラファエル 文書係の事件録 シーズン2

ついにアストリッドが恋をする!?なんと相手は日本人??

Astrid et Raphaëlle Season2
2020年 フランス、ベルギー カラーHD 52分 全8話  JLA Productions / France 2 AXNミステリーにて放映
クリエイター:アレクサンドル・ド・セガン、ローラン・ブルタン 監督:エリック・ルフォー、フレデリック・ベアト
出演:サラ・モーテンセン、ローラ・ドヴェール、ベノワ・ミシェル、ジェン=ルイ・ガルソン、ユベール・ドゥラットル、サイトウ・ケンゴ ほか

 フランス犯罪資料局に勤務する、自閉症スペクトラムの文書係、アストリッドと、人情にもろく、暴走しがちな女性警視ラファエルのコンビが、毎回意外な真相が隠された難事件に挑む、クライム・サスペンスのシーズン2!
 前シーズンでは、事件のトリックはともかくも、自閉症を持つアストリッドの社会適応過程が、詳細に描かれておりその意味で非常に好感が持てた。
 今回のシーズンでは、むしろ事件の展開に重点が置かれているようで、どのような事件でも、アストリッドはコンビとして最初からラファエルに呼び出されて付いて回る。これは、どーなんだ?と思っていると、自閉症を完全に忘れたわけでもなく、途中事件捜査に引き回されすぎたアストリッドがパニッックを発症したりと、それなりの配慮がされていた。
 「社会力向上クラブ」の世話人、ウィリアムから、10個の豆粒で自分の消耗具合を測るようにアドヴァイスされるエピソードは、秀逸である。

 事件の方は、「奇術師が絡む弁護士殺害」、「珍妙な日本のヤクザ文化が描かれるパリのサウナでの殺人」、「UFOアブダクションが疑われる女性被疑者の真相」、「バロック・パイプ・オルガン奏者の絡む殺人事件」、「エコ・フェミニスト集団が絡む、燃やされた死体」、「AI開発会社の天才プログラマーを殺す、ユダヤの巨神ゴーレム」、「発見された古代のヘルメス文書をめぐる殺人事件」、「そしてAA自助グループで殺人を犯したとされ逃走した女性囚が、アストリッドとラファエルを人質に犯罪飼料局に立てこもるハイライト・・・」と、実にフランスらしくひねくれていて多彩である。
 相変わらず、リアリティーとしては少々厳しいのも以前と同様だが、前シーズンより安心して見られるのは、キャラクター説明のための時間が省かれたので、脚本的にも説明力が向上しているのもあるだろう?

 ラファエルの私生活は、前は心配の種だった小学生の息子テオは中学生となってアイルランドに留学中ということで、概ね忘れられている。そのかわりに、のっけから新しい担当検事として登場するマティアス・フォレスト(ユベール・ドゥラットル)が、ラファエルの元彼であることが発覚。2人は、今シーズン中に再びデートを重ねて、秘密の関係が進行するのだが・・・。(もちろん、このことでラファエルに惚れているニコラ(ベノワ・ミシェル)が気が気でないのは、当然である。)

 一方、驚いたことに、アストリッドにも恋?が。ムッシュ田中の日本食食料品店では、月曜しか買い物をしないアストリッドが、やむない事情で水曜に店に田中の店を尋ねると、「この曜日は店を手伝っている」という田中の甥、テツオ(サイトウ・ケンゴ)が迎え入れてくれる。
 テツオはアストリッドに一目惚れしたらしく、二人は店の外(とは言え、公園ベンチだが)で会うことに・・。実は、テツオはパリ大学に留学中の数学者で、数字に感じるロマンを熱弁したことで、どうやらアストリッドの心を動かしたような感じである。(笑)最後には、ウイリアムとコンビで、アストリッドの窮地を救う手伝いもしてくれます。

 今回も、最終回はコンビが危機に陥る事件が。アストリッドが、カフェで話した冤罪で逮捕されたと主張する女性を助けたことで、なんと犯罪飼料局での立てこもり事件に発展。しかし、担当検事のマティアスがラファエルとの約束の時間を守らずに突入したことで、犯人は逃走。ラファエルとアストリッドの供述で、回想してゆく手法で事件は説明されるが、最後には犯人マリッサ(エミリー・ドゥケンヌ)の真の意図を見破るラファエルの洞察とアストリッドの驚異の記憶力で事件はなんとか解決の方向に向かうが・・・。
 検事局が二人による捜査を問題視して、ついにコンビは解消に・・・って、これは完全にシーズン3のフリですな!

シーズン1の評はこちら>>

By 寅松