アストリッドとラファエル 文書係の事件録 シーズン6
興味をつなぐために、いろんな危機が連発しすぎで、もはや韓ドラ調!
2025年 フランス、ベルギー カラーHD 52分 全8話 JLA Productions / France 2 AXNミステリーにて放映
クリエイター:アレクサンドル・ド・セガン、ローラン・ブルタン 監督:ジュリアン・セリ、クリメ・アイエノユジ
出演:サラ・モーテンセン、ローラ・ドヴェール、ベノワ・ミシェル、ジェン=ルイ・ガルソン、ジャン=ベノワ・スーリエ、ウスキ・キアル、サイトウ・ケンゴ、ドミニク・エンゲルハート、ソフィア・ヤムナ、ユベール・ルーロー ほか
前のシーズンで、ついにアストリッド(サラ・モーテンセン)が、テツオ(サイトウ・ケンゴ)が形式的ながら結婚式を行う場で、アストリッドの指輪を試しにラファエル(ローラ・ドヴェール)がはめたために、指輪に塗られた毒で彼女が意識不明となってしまう。
シーズン6 第1話/第2話目は、ラファエルが入院中の物語。超常現象を科学的に暴く「幽霊ハンター」を自称するユーチューバー・グループの中心人物が、グランドピアノの下敷きになり殺害されていた事件を捜査するうちに、全寮制の名門寄宿学校で起きた死亡事件との関わりがわかってくる話。
1話目の間、ラファエル本人も病院でニコラ(ベノワ・ミシェル)やアストリッドの話を聞きながら捜査に参加している様が描かれるが、実はずっと昏睡状態で、病院の中で事件にヒント出してくれる老人も1年前にその病院で死亡した患者。実は、事件の真相を知る人物であることがわかる。2話を通して、ファンタジー要素もありつつ、フリンジ・サイエンス(境界科学)の可能性をちらつかせるお得意の脚本ではある。
残りの事件も、シリーズに必ず入るエスニック文化が絡んだ犯罪、偉大な数学者が発見した「万物理論」をめぐる犯罪、妻の殺害容疑で裁判中の男の無罪の証拠をストリッドが見つけてしまい、2人が殺害の真相を突き止める話、さらに最新鋭のデータセンターで起こった黒魔術を思わせる殺人や、19世紀のギロチンを使った復讐劇。満遍なくポリコレにも配慮した事件が並ぶのは毎度であるが、マンネリ気味は否めない。
最後の1話は、ネット上のパズル同好会の熱心な会員であるアストリッドが「小箱_95」と名乗る仲間から、9世紀に模写されたアルキメデスの文書(最古のパズルの記述)の上に13世紀に聖書が書き込まれた「パリンプセスト」(別の内容を上書きした羊皮紙の写本)を見せると申し出があり、ラファエルとその豪邸を訪ねると、本名エドガー・ドゥニ・レノというその本人は、すでに死亡していたというミステリー。
歴史的な豪邸(どうやら、エソンヌ県ブーレ=シュル=ジュイヌにあるメニル=ヴォワザン城らしい)を丸ごと借り切ったとみられる、フランスならではの古典的ミステリーではあるが、これを解決した後に、次のシーズンに繋ぐための2人の危機が!
ラファエルは、本シーズン初めの神経ガスによる麻痺からは、リハビリを通じて回復したものの、少し前から手先に麻痺が生じていた。意を決して「このままでは刑事が続けられなくなるかも・・・」とアストリッドに打ち明けるが、彼女の携帯には、犯罪資料室を管轄することになった上司、国立司法データセンター長であるヴェロニク(ベロニク・ヴェシエール)から、物理的な犯罪資料を破棄して、犯罪資料室を消滅させる通知が届いていた!
ストーリーの縦糸では、ついに結婚まで発展したアストリッドとテツオ(サイトウ・ケンゴ)の仲が、テツオの衝撃の告白によって吹き飛ぶという大波乱が!
実はテツオは、テツオ・タナカではなく、本名は「テツオ・ホシダ」で、なんと日本の大企業グループのワンマンオーナーの息子だったというオチ!韓国ドラマじゃねえんだから・・・。巨大企業のワンマン経営者って、日本じゃ難しいけど・・、ま韓国のイメージなんだろう。
アストリッドは、「テツオ・ホシダ・・知らない人です!」と完全拒否の構え。名前が変わっだけだとは、受け入れられないところが難儀な自閉症スペクトラムです。ラファエルとニコラの手助けもあって、シリーズ終盤には、またゼロから関係を再構築し始めるという2人の雰囲気で終わる。
一方ラファエルは、上司である警視正のバシャールに、現在の自分の地位に座る気はないかと打診されるが、予想どおり「私は現場が好き!」の一点張りで拒否することに。(ま、ドラマとしては管理職になったラファエルを描くわけにもいかないけど)
バシャールは、官僚へと栄転して行ったので、今度は少し若めの警視正ヴァシュー(ユベール・ルーロー)が着任することになる。どこの国の刑事物でもよくありがちな、一番嫌われるタイプ=つまりFBIで研修を受けてきた刑事が登場し、現場を無視してFBI方式を押し付けるタイプの新登場。この「FBIの研修受けたので、この方向でいきます!」は、本当にどこの国の刑事物でもよく描かれるパターンだが、こいつがまた実に典型的なやつ。
まあ、いろいろありえない犯罪の真相を、ラファエルとアストリッドに解決されて、徐々にその実力を認めざるをえなくなるのの、パターン通りではありますが。
シーズン7もすでに撮影は進行しているようなので、次のシーズンでも犯罪資料局がまだあるのかどうか?だけは、気になるかな〜。
By 寅松
