海外ドラマ

アンファミリア

アンファミリア

パパとママは元やり手のスパイでした・・系の脚本をリアルにやってみた!

Unfamiliar
2026年 ドイツ カラーHD 58分〜50分 全6話 The Gaumont Germany/Netflix Netflixで視聴可能
クリエイター:ポール・コーツ 監督:エレナート・ルフ 
出演:スザンネ・ヴォルフ、フェリックス・クラマー、ザムエル・フィンツィ、アンドレーアス・ピーチュマン、セイネブ・サレー、ローレンス・ルップ、ザムエル・フィンツィ、ヘンリー・ウプシュン、マヤ・ボンズ、ナタリア・ベレスキー

 フランスの大手映画会社ゴーモンのドイツ支社がNetflixに向けて製作したドラマだ。ドイツ国内で撮影/制作されたドラマだが、脚本家はイギリスTV界のベテラン、ポール・コーツ(「レッド・エレクション」2021など)が手がけていて、展開早く現代的で見入ってしまう作りである。
 話の骨格は、16歳の好奇心ざかりの娘がいる、真面目そうなドイツ人夫婦。娘から見たら、美人のママとシェフでお医者さんでもある優しいパパは、完璧な家族に見えたが・・実はママとパパは元エリート情報員で、家族というのも嘘なのでした〜!というアメリカのコメディ・スパイ映画みたいな構造。
 しかし、これをコメディーではなく、切羽詰まったリアルなドラマで見せてゆくところが新しいし、本格的なスパイドラマ+深みのある「家族」の絆を振り返る物語という二重の構造が楽しめる作品に仕上げてある。
 Netflixで配信開始されたばかりだが、英語圏以外の作品の中でトップにまで上り詰めた。面白い!

 ジーモン(フェリックス・クラマー)とメレット(スザンネ・ヴォルフ)は、ベルリンでレストラン「ガーデン」を営む夫妻。しかし、影では情報活動がらみで窮地に陥った人間を助ける闇の医師活動も行なっていた。どうやらジーモンは元軍医らしい。娘ニーナ(マヤ・ボンズ)の16歳の誕生日当日、2人の元にかかった電話で、救出した男は、自分で認識チップを取り出した跡があり、スパイであることが明らかだった。
 2人は元BND(ドイツ連邦情報局)の工作員で、死亡工作して今は別人として新たな家庭を築いていたのだ。男を送り込んだ首謀者を探ろうとする2人だが、元上司である引退した情報局のボス、グレゴール(ヘンリー・ウプシュン)からの連絡で、その首謀者がロシア情報部の大物ヨシフ・コレーエフ(ザムエル・フィンツィ)であることがわかる。BNDは、コレーエフのドイツ入国をキャッチして、コーレエフを最もよく知るグレゴールに協力を求めてきたのだ。
 コレーエフは、妻のベラ(ジーニア・リコバ)がドイツ大使に就任するのを機に、ドイツに入国していたが、その役目はBND内の協力者ヒトデを管理する現地ハンドラーであった。しかし、コレーエフには、自分の過去の秘密を握っているドイツの元スパイたちを粛清して、自らの地位を安泰にするという個人的野心があった。
 ジーモン、メレット、グレゴール、そしてコレーエフが関わっていたベラルーシでの過去の工作には、皆が恐れる大きな秘密があったのだ。そして、それはジーモンとメレット夫妻とその娘であるニーナの誕生にも関わる秘密でもあった・・。

 全6話の話が毎回意外な展開を見せる。毎回けっこうカーチェースやらアクションもああるが、それだけでなくジーモンとメレットのチームは、いろいろ仕掛けが装備されたセーフハウスやら、患者を救急搬送できる個人救急車やら、いろいろがジェッツも揃えていてスパイっぽい。
 一方、2人を追い詰めるコレーエフの手下となっているのは、ドイツでロシア情報局の下請けとして働いている元情報部員たちの組織。その組織のトップであるヨナス(アンドレーアス・ピーチュマン)は、かつてモロッコの作戦中にメレットと恋仲になった過去という弱みがある。
 コレーエフが入国したことで、すぐに追跡を始めるBNDだが、実はコレーエフに管理されている内通者がいるために、身を隠したはずのグレゴールは居場所を特定されて、コレーエフの手に落ちる。
 現在BNDで、対外活動部署を率いる責任者になっているベン(ローレンス・ルップ)は日和見主義者で役立たずだが、もともとグレゴールの下で働いていた優秀な分析官ユリカ(セイネブ・サレー)は、内通者の存在に気づき、その追求をベンに進言する。しかし、その結果は最悪の結末を迎えた・・。
 最後の1話で、ところが内通者は、まだ発見されていなかった事実を視聴者は見せられることになる。

 ジーモンの頭に動脈瘤が見つかる伏線や、夫婦がコレーエフとの対決に向けて娘をパリに送り出したのに、思った通りニーナはベルリンに戻ってしまたりという、イライラ・エピソードもどうにか乗り越えたので、終わってくれるはずと信じて見てたら、6話目のエンディングは、あっと驚く人物が裏切りをはたらいて新展開!
 おいおい、これじゃ完全にシーズン2ってことですね。

 ポール・コーツは、スパイものという意味ではベテランのようだが、さすがにサスペンス的な面白さだけでなく、キャラクターをちゃんと描けているのが素晴らしい。
 スパイ夫婦の話ではあるが、妻のメレットは、もともと大胆で強気の工作員で、殺し屋ではないがちょっとキリングイブのヴィラネルのような面をのぞかせる天才スパイだった。しかし、子供を持つことで人生が180度変わった人物。
 一方夫のジーモンは、スパイとしては優しすぎるが、医師でもあり、メレットを支えつづけてきた。
 この2人が、何が正しくてどうあるべきだったかを新ためて話し合うシーンは、スパイとはいえドイツ人らしさを感じさせて面白い。イギリスのスパイ同士だったら、ああはならないだろいう。

 ま、この出来ならシーズン2もやむなし!