海外ドラマ

自由研究に向かない殺人 シーズン2

18歳の優等生は、ついに法制度が対処できない社会の不条理に直面!

A Good Girl’s Guide to Murder Series 2
2026年 イギリス カラー 44~51分 全6話 Moonage Pictures、BBC Three/Netflix Netflixで視聴可能
原作:ホリー・ジャクソン(『自由研究には向かない殺人』:服部京子 訳 株式会社 東京創元社刊) クリエイター:ポピー・コーガン 監督:ジル・ロバートソン、アシム・アッバシ
出演:エマ・マイヤーズ、ゼイン・イクバル、アシャ・バンクス、ライコ・ゴーハラ、ジュード・モーガン・コリー、ヤスミン・アル・クダイリ、エデン・H・デイビーズ、ヘンリー・アッシュトン、カーラ・ウッドコック、ミーシャ・バトラー、ジャック・ローワン ほか

 あっと驚く人物が犯人だったりして、世界が大きく展開してしまう結果になった、女子高生探偵のピップだが、今回はその裁判の行方とともに、新たな行方不明事件が発生して、法制度や社会の制度が対応できない苦い現実に直面することになります!
 シーズン1は、事件の捜索だけでなく、高校デビューした女子的らしい環境の劇的変化と「大人への階段」的ワクワク感を取り混ぜたジュブナイル小説的高揚感がたのしいドラマでしたが、このシーズンではもうちょっとシリアスな展開に。

 ピップ(エマ・マイヤーズ)は、自分の行った捜査と、現実に起こった様々な残酷な変化のギャップに、アイデンティティ・クライシスを迎えたりもしますが、まあ、そこは大丈夫。シーズン1で休息の接近したサルの弟ラヴィ(ゼイン・イクバル)は、優しくピップを包み込んでくれるので、心配ありません。あ、ついにセックスもするしね・・。(笑)
 
 今回の事件は、シーズン1で殺人は犯していないものの、カラミティのパーティーで薬物を女子たちに盛ってレイプを繰り返していた、地元有力者のバカ息子マックス(ヘンリー・アッシュトン)の裁判が進行する中、ピップの仲間、コナー(ジュード・モーガン・コリー)の兄で重要な証人だったジェイミー(エデン・H・デイビーズ)が失踪する。
 なんとか、ジェイミーを探しだそうと、コナー、ラヴィとともに行動を開始するピップであったが、ジェイミーの痕跡を探すと、彼がマッチング・アプリで出会っていた、なりすましの女性レイラに突き当たる。
 証拠を付き合わせると、レイラはこの町で29歳の白人男性を物色して呼び出していたことがわかるが(24歳のジェイミーも、逆に29歳とサバを読んでいた)、裁判にジェイミーは現れず、マックスは裁判で無罪を勝ち取ることに・・。

 結果に怒りまくり、落ち込むピップだが、最近ピップの家の隣に引っ越してきたチャーリー(ジャック・ローワン)は、君が許さないかぎり、マックスは無罪にならない・・と、慰めてくれる。
 ジェイミーらしき遺体が発見されるが、それが別人だとわかり、捜索を再開したピップは、もう一人のレイラのターゲットで、ナットが付き合っていた売人ルークと直接対面し、ジェイミーの借りた金と引き換えに、ジェイミーが最後に語った言葉<child brown sick!>を聞き出した。
 ピップはその言葉が、有名なスコット・ブランズウィック連続児童殺人事件において、犯人の父親に協力していた10歳の息子、通称「チャイルド・ブランズウィック」のことではないか?と、あたりをつけるのだ。

 父親のスコットは獄中死したが、息子は、父親にやむなく協力させられていたとして、証人保護プログラムで別の名前と経歴を与えられて、今もどこかで暮らしていた。ピップの町、リトル・キルトンにチャイルド・ブランズウィックがいると情報を得た謎のレイラは、マッチングソフトを介して、彼を探していたのではないか?チャイルド・ブランズウィックは、今はちょうど29歳のはずだった。

 そして、ピップは父親スコットの顔から、誰がチャイルド・ブランズウィックであるかを言い当てる!
 ピップとコナーとラヴィ。そして気まずかったカーラ(アシャ・バンクス)も呼び出して、二手に分かれたチームは、チャイルズ・ブランズウィック=警備員のスタンリー(ミーシャ・バトラー)を廃墟に呼び出して、彼の家にジェイミーが監禁されていることも突き止めるが・・・。その場にはレイラを装っていた復讐者も待っていた!!

 目まぐるしいのは、前シーズンと同じだが、今回もあっとおどろく展開で、最後は重くるしい結末が待っている。裁判ではどうしようもないが、被害者には許すことができない傷が残る・・(今回は、そのことがさらなる犯罪を生む)という、実に重いテーマだ。

(出来はともかく)TBSの「田鎖ブラザース」やら、WOWOWの「密告はうたう2 警視庁監察ファイル」なんかも似たテーマだが 、最近どうも、結局司法では裁きようがない犯罪で犠牲になった被害者と、その鬱憤を扱うドラマが増えてきたように思える。社会も法体系も、もはや人間の壊れ方に追いつかなくなっているのだろうな・・。
 
 それでも、ピップは成長を続けるに違いない。
 ドラマのエンディング、彼女の部屋のポソコンには脅迫文章が残されていた。当然のようにシーズン3に続くなわけだが、すでに2027年からの公開も決まっているようだ。