海外ドラマ

チェスナットマン シーズン2

前回も偶然コンビを組んだ2人が、2度目の偶然でコンビ復活!しかし!!

Kastanjemanden: Tælle til en, tælle til to/The Chestnut Man: Hide and Seek
2026年 デンマーク カラーHD 43~54分 全6話 SAM Productions Netflix Netflixで視聴可能
原作:セーアン・スヴァイストロプ クリエイター:ドローテ・ウォノイ=ヒュー、エミリー・レベック・カエ 監督:ロニ・エズラ、ミラド・アラミ
出演:ダニカ・クルチッチ、ミケル・ボー・フォロスゴー、ソフィー・グラボエール、アンダース・ホヴ、カティンカ・ラーケ・ピーターセン、エスター・バーチ ほか

 驚愕の展開である!
 2021年にNetflixオリジナルとして公開されて、なかなか恐ろしかったサスペンス・ドラマが、5年の時を経て復活した。(ドラマの中では2年しか経っていないが)こっちは、内容忘れてますよ!ということで、始まるとこんな話だったか?と、誰しも前の話が気になる・・・。
 というか、シーズン1の方も、子供が作る不気味な「栗人形(チェスナット・マン)」のアイテムやら、童謡の「チェスナット・マン、入っておいで〜」とかいう歌が異常に怖かった・・という印象だが、今回も同じパターンで、無差別殺人を繰り返すストーカーが、「数えて1、数えて2 〜 さっと潰してスクランブルエッグ」と歌う(メッツセージを送る)「かくれんぼ」の時の歌がモチーフになっている。

 ただ気になるのは、怖い要素の方じゃなくて、シーズン1の最後には、インターポールのうじうじくん=マルク・ヘス(ミケル・ボー・フォロスゴー)と、娘との関係を修復中の乱暴な女性警官、ナイア(ダニカ・クルチッチ)は、ちょっといい仲になっていて、ナイアの娘のリー(シーズン1のリバ・フォシュベリからシーズン2では、18歳のエスター・バーチに交代に)が、すごくヘスに懐いていたのに、ユーロポールの仕事の関係で、ヘスは急にいなくなってしまったという縦糸の経緯だ。
 もうヘスを家族だと思っていたのに、リーの方は、すごく傷ついているという設定である。そんなに重要な話に思えなかった・・・この縦糸がシーズン2ではやけに強調されている。それもそのはず・・・このあとあっと驚く展開になるのだ・・。
 
 ともあれ、ストーリーとしては、ようやくIT捜査班に異動になったナイアだったが、行方不明女性の捜査で出動。ユーロポールとの協力が必要な案件が出てきたのだが、たまたまコペンハーゲンに休暇名目で寄っていたヘスが合流することになるという偶然。
 実はヘスは、もともと高圧的で関係が悪かった兄が急病で倒れ、意識不明の状態ということで、病院に駆けつけていたのだ。

 本ドラマで登場しているもう一人の重要人物が、原作者のセーアン・スヴァイストロプが、クリエイターとして参加していた、北欧ダーク・ミステリーの金字塔「キリング」の主演、ソフィー・グラボエールが演じるマリー・ホイストである。

 今回、ナイヤとヘスが関わる事件の2年前に起きた、ティーンの殺人事件、被害者の母で高校教師ということになる。この事件は証拠が不十分で、警察の捜査は、十分とは言えないまま解決せず捜査が終了している。母親のマリーは、納得するはずもなく司法に訴える。が、その訴えは却下されて捜査の終了が確定した。
 情緒不安定な彼女は、学校の同僚、別れた夫や、死んだエマの弟妹たちからも疎まれているが、ただの悩める母親の役をやるために、こんな大物が抜擢されるはずもなく、最後の最後に、派手な結末を起こしてくれるのでしした。

 

しかし驚くのが途中の展開!?シーズン2は、3話目にしてなんと、なんと!えーっ!っていう展開が起こり視聴者は混乱に陥るのでした。

 
 いくらストーリーに惹きつけるためとはいえ、それはあまりに無慈悲な展開だ!
 予想されるように、こんな事件が起こってしまえば、そもそも情緒が不安定なヘスが暴走するのは目に見えている。
 ナイヤがデジタル捜査班に引き入れた、元ハッカーのサンドラ(カティンカ・ラーケ・ピーターセン)の協力で、ヘスは、今回の連続ストーカー殺人が、30年前にナイヤの父アクセル(アンダース・ホヴ)が捜査した、同じ数え歌が関わる猟奇事件と関係していることにたどり着く。
 よりによって、捜査担当を外され銃を取り上げられているにもかかわらず、怪しいと睨んだ30年前の犯人、トーガーが所有していた別荘に向かうヘス。そこで待ち受けていたのは、すでにマリーを拉致して、殺そうとしていた犯人だった。
 相変わらず腕っ節の弱いヘスは、完全に絶体絶命!ほんとに死んじゃうよ〜!ということろで、まだまだ警察は到着しません。その代わりに出てきたのが、やっぱこの人なのでした!
 いやあ、素晴らしいメッタ刺しでした。

 物語の最初のモチープが、「托卵」で他の鳥の巣に卵を産みつけるカッコウという鳥の残忍な性質。カッコウの雛は、他の卵より先にかえると、自分だけが餌を独り占めにするために、他の卵を巣の外へ捨ててしまうという残忍な鳥。マリーは、犯人が自分を殺すだけでなく、自分の子供たちを奪おうとしてることに怒りを爆発させたのでしょう。
 しかし、いくらなんでもこんな展開だと目を離すわけにもいかず、あっという間に6話を見てしまいます。

 (他のドラマでもそう感じますが)警察だけではなく、全体的に官僚的なデンマークでは、事件解決よりも法令や規則の遵守の方がだいぶ重要なようで、真相を究明する意欲がある刑事があまり登場しません。
 その中で、プライベートを忘れてのめり込んでしまうやや病的なナイヤと、様々事情から常に精神不安定ながら、鋭い観察眼とプロファイリング能力を突然発揮するヘスというコンビでなければ、このような事件はもはや解決不能でしょう。
 しかし、今回の恐ろしい事件のあと、ヘスは心を入れ替えて普通のデンマーク人に立ち返ったようで、仕事への執着を捨て、個人的な人生の充実を優先することにしたようです。
 めでたしめでたし。