海外ドラマ

アンダーカバー・ティーチャー

あれ?なんだか見覚えのあるキャストとリールの風景!?

Recalé / Flunked
2026年 フランス カラーHD 26~30分 全8話 Itinéraire Productions Netflix/Netflixで視聴可能
クリエイター:フランソワ・ユザン 監督:フランソワ・ユザン
出演:アレクサンドル・コミネク、ローレンス・アルネ、マティルド・セニエ、フレッド・テスト、ベランジェール・マクニーズ、スプリアン・ガーデン、レスリー・メディナ、ジャン=クロード・ムアカ、ヤニック・ランドライン ほか

 ジャン=パスカル・ザディの「その日がやって来る」や、ジョージ・ケイと共に脚本を担当した「Lupin/ルパン」などNetflix作品でも知られる、フランソワ・ユザンが単独でクリエイターを務める、Netflixのオリジナル・コメディ。
 話としては、高校には嫌な思い出しかない、軽妙な詐欺師であるエディが、ロシア・マフィアの元締の逮捕に執念を燃やす女性捜査官、ルーシーの申し出を受けて、そのマフィアの子息を見つけ出すために、代用教員として地方の高校に潜入する羽目に陥る物語・・。
 話は毎回思わぬ方向にむかい、最後にはとうとう思ってもいない結末を・・・。30分8話だし、この素早い展開は、むしろ「その日がやって来る」の雰囲気だ。

 しかし・・、その高校があるのは、なぜかリール!(笑)と、思ったら、のっけから潜入したエディの同僚になる、美人なのにピントの外れたロシア語教師、ローレンスを演じているのは、「IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント」でダフネを演じていたベランジェール・マクニースではないか!?
 あれ、大勢の生徒の中には、モルガンの娘、テアを演じていた、スプリアン・ガーデンもいるぞ!(オセアン役)。どうやら、このドラマの制作をした<Itinéraire Productions>は、「HPI(IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント)」を製作した会社らしい。なるほど!

 主人公のエディ= エドゥアール・マルタン(アレクサンドル・コミネク)は、イケメンで手八丁口八丁の詐欺師なのだが、数学の天才でもある。詐欺で逮捕された彼を、7年の刑期の向こうと引き換えに、潜入捜査に引っ張り込もうとするのが、フランスに薬物を輸入している元締めのロシア・マフィア・サギロフを追いかけている捜査官のルーシー(ローレンス・アルネ)。
 サギロフの子供が、リールのシャルル・ボードレール高校に通っていることは突き止めたのだが、それが誰なのかがわからない!これを突き止めるため、教師として潜入させる人材を探していたのだ。ところが、高校時代いじめられていたエディは「高校」というものに嫌な思い出しかなく「絶対嫌だ!」と駄々をこねる!
 しかし・・・、無理やり連れてこられた高校で校長をしていたのは、なんとエディの初恋の相手で、校長の娘だったティフェーヌ(レスリー・メディナ)だった!

 テンポも良く、サスペンス具合もそこそこで楽しく見られるが、なによりフランスの教育制度の問題を、笑い飛ばしながら見せてくれるのが面白い。
 原題の<Recalé>は、不合格者、不適格者という意味だが、不適格者そのもののエディが、魚のゴムマスクで高校のストライキの矢面に立って教育政策を批判したために「魚先生」と呼ばれ、大人気に!
 フランスの公立高校は、設備や予算の問題もあるのだろうが、人材不足で数合わせに使われる代用教員のレベルの低さも問題だ。スキルもなく、すぐに異動になってしまうために、腰を据えて授業に取り組む姿勢なんて夢のまた夢である。
 2話目で取り上げられる、大学/専門学校への入学のために必要なシステム「パルクールシュップ Parcoursup」の混乱も笑える。実際に、マクロン政権が2018年に導入したもので、特定の人気大学などの定員が不十分なことに対応するために、生徒の希望と大学側の希望をマッチングさせる目的のシステムだが、大学側の基準が不透明な上に、複雑で不具合も多いらしい。生徒としては、自分の将来がかかっているのに、実に残念なシステムで、頭にくるのは当然だろう!
 
 ドラマでは、学校の内部のドタバタだけでなく、個性豊かな教師たちのとぼけた日常、エディと校長であるティフェーヌの過去、ルーシーの家庭の事情も描かれ、サギロフの手下の直接的な登場でサスペンス的に意外な緊張が高まるが・・・こんなところで、エディが許していない母親(マティルド・セニエ)までが登場!して意外な方向に!
 最後は予想どおり、大混乱になるのでした。
 ちょっと困ったちゃんの、オセアン役のスプリアン・ガーデンがいい味出しているところも、見る価値あり!

By 寅松

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