海外ドラマ

IQ160清掃員モルガンは捜査コンサルタント シーズン4

全8話を通じてボテ腹妊婦のモルガンが暴走する!

HPI: Haut Potentiel Intellectuel (H.I.P. High Intellectual Potential) Season4 (Saison4)
2024年 フランス カラーHD 52分 全8話 TF1 AXNミステリーで放映
クリエイター:ステファーヌ・カリー、ニコラス・ジャン、アリス・チェガレイ=ブルーグノ 監督:ヴィンセント・ジャーメイン、モナ・アシャーシュ、ジブリル・グリッサン
出演:オドレイ・フルーロ、マリー・ドナルノー、メーディ・ネブー、スプリアン・ガーデン、ブリュノ・サッシェ、クロティルド・エスム、ベランジェール・マクニーズ、ジェレミー・ルーウィン ほか

 前シーズンのラストに仕掛けられた通り、今シーズンは、モルガン(オドレイ・フルーロ)は4人目の子供を妊娠中で、超ボテ腹のまま最後まで疾走するのだ。(笑)
 IQが160という常人を超えたカメラアイ(映像記憶)や分析能力を持つモルガンは、一方では完全にADHDで私生活はハチェメチャ。その彼女が、ひょんなことからリール警察の重大犯罪班の民間人顧問として、事件解決にあたることになる・・というストーリーの枠組みなのだが、シーズン4まですすむと、個々の事件はともかく話の縦糸は、ハチャメチャなモルガンと、穏やかだが少々真面目すぎる担当警視カラデック(メーディ・ネブー)のなかなかうまくいかない恋の行く末に的が絞られつつある。
 しかし、相変わらずこれがド・コメディでうまくはいかない。

 シーズン4の冒頭、モルガンの見る夢は、「奥様は魔女」ばりの60年代コメディ風大家族で、夫のカラディックと子供たちを育てている姿なのだが、気がつくとお腹の子の父親は、カラディックの可能性だけではなく、一時期モルガン家で家事までしていたティモテ(ジェレミー・ルーウィン)や、元犯罪者ダヴィド(ドゥードゥー・マスタ)の可能性も高い。(ちなみに、フレンチ・ラッパーのドゥードゥー・マスタは、コメディづいているのか、「アストリッドとラファエル 文書係の事件録」のシーズン5でも、6話でナイジェリアの売春組織の元締めとして登場する!)

 これ以上、子供が増えては大変!と心配するテオ(スプリアン・ガーデン)とエリオット(ネオ・ヴァンデボーテ)は、最初はモルガンに堕胎をすすめるが、その気がないとわかると、オランダにDNAを送ってお腹の子の父親を確定しようと画策する。
 しかも、モルガンが「お腹の子の父親かも!」と伝えあぐねている間に、カラディックの方は、モルガンと距離を置くために重大犯罪班から金融捜査班に移動願いを出していたのだ。
 カラディックの代わりに、重大犯罪班に配属されたフレッド・プリジャン(トーマス・シメカ)はイケメンで、最初は皆に期待されるが、次第に人の手柄を自分のものにするクソ野郎だとわかって、特にジル(ブリュノ・サッシェ)の嘆きは激しい。
 しかし、このままどうなるのか?と思うと、驚きの人物がまたも笑える天罰を下すことに。

 さまざまな赤の他人の葬儀で泣いていた主婦が殺された事件を解決したモルガン。しかし、カラディックは金融班に移動し、2話目では、自分が16週目の超音波検査に出かけた病院で不妊治療医のブペが殺された。
 今度は、カラディックの後任の警視プリジャンと共に、捜査令状が出る前に病院に忍び込んだモルガンは、ブペの診察室に貼られた赤ん坊の写真から、病院の防犯カメラに写っていた、活動家のエンゾとアランとの関係に気づく。
 第3話は、少々ドタバタぶりが古臭い演出で鼻につく。引退した推理作家アントワーヌが、古い邸宅で発見された事件で、防犯カメラからあぶり出された犯人は、シーズン3で刑務所に収監された期間に世話になっていた、連続毒殺犯マリーだった。モルガンは、一人で勝手に殺人現場である邸宅で証拠を探すが、過去に想いを馳せるとやたらに想像でカラデックが現れる。
 前回、モルガンのおかげで疑いが晴れたマリーが、気を利かせて(自分を最後まで疑った)クソ野郎のプリジャン警視に天罰を下したおかげで、第4話では、モルガンとジルが捜査に当たることに。自動販売機の塡充員が殺害されたという事件で、彼が暴行を受けた監視カメラの映像が取られた下着メーカーを訪れると、金融班の捜査で訪れたカラディックと鉢合わせしてしまう。
 会社のシステムがハッキングされ、防犯カメラ映像の改変が疑われるが、その意外なハッカーをモルガンは見つけ、カラディックと共に事件を解決する。
 5話では、セリーヌ(マリー・ドナルノー)の要請で、結局カラディックは出戻り、もとの重大犯罪班でモルガンとのコンビを再開。美容師が殺された事件で、そのほかの事件で発見されたDNAと同じものが発見され、連続殺人犯が疑われるが、モルガンが、鑑識が使用する綿棒製造過程の不備で、製造していた男のDNAが混入したことに気づく。
 6話は、5話の失踪者の中で唯一解決していなかったエマ・ペランの行方をめぐる操作を続けることに。エマの車についたナナホシテントウと部屋に残された手がかりから、モルガンがはじき出した彼女の行先は、カラディックの故郷であるブルターニュであった。

6話の予告編

 このエピソードでは、今まで語られてこなかったカラディックの家族が登場!憲兵隊の大尉だった厳格な父ジャンピエール(ディディエ・フラマン)は、弟の事件でカラディックをなかなか許せないままぎこちない関係だったが、ズカズカと実家に上がり込んで彼女気取りのモルガン効果もあり、監禁されていたエマを無事救出した2人は、両親から祝福されて2人で帰る・・。
 7話では、いよいよ出産が近づき、父親の可能性を伝えられた、ティモテとダヴィドとカラディックが入り乱れて、モルガンの出産準備をサポート!臨月のモルガンは、主婦インフルエンサーが殺害された事件で、彼女が殺害現場近くの高層ビルに通っていた理由を発見する。
 さらに8話では、眼科医が殺された事件で、完璧なアリバイがあるものの、協同経営者デッカー医師(エリック・カラヴァカ)が犯人だと目をつけたモルガンは、産休中なことを無視して一人で病院に乗り込み、高飛びしようとする彼を犯人だと指摘!デッカーは逃げようとするが、後から来たカラディックに取り押さえられる。
 しかし、その場でモルガンが破水!カラディックは、デッカーを取り上げさせるが、2人が喜び当ているすきに犯人は・・・。
 7話の最後で、テアとエリオットが手配していたベルギーの遺伝子検査の結果を見た父親たちは、TG99.99%という表記を見て、ティモテ・ギシャールだと思い込んでいたのだが・・。(やっぱりな〜)最後の最後に、ダフネ(ベランジェール・マクニーズ)とアフィーダ(マイラ・タイラン)が、モルガンの新しい子供の父親の掛け金で言い争っている場面で、そばにいたエリオットがポツリと「”TG”はイニシャルじゃないよ!」と。なんと、TGは遺伝子検査(Tests Génétiques)の略語で、エリオットはそれぞれのDNAにTG、TG2、TG3とタグをつけて送っていたのだ。そして、もちろん父親は・・・!
 
 ドラマの最後には、一家が家主アンリ(ルーファス)の長年の税金滞納で家を追い出されるおまけまで。これだとシーズン5は、4人の子供をつれたモルガンとカラディックの大戦争からスタートしそうですね〜。

By 寅松

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