証拠は語る シーズン2

そんな展開ありますかいな!?主役が最初でプッチンしてしまう、驚愕展開のシーズン2

Traces Serise2
2022年 イギリス カラーHD 60分 全6話 UKTV Alibi Channel AXNミステリーで放映
クリエイター:アメリア・ブルモア 原案:ヴァル・マクダミード 監督:クリス・フォギン
出演:モリー・ウィンザー、ローラ・フレイザー、マーティン・コムストン、ジェニファー・スペンス、マイケル・ナードン、ライラ・ロス、アンドリュー・ロスニー ほか

 シーズン1放映時には、日本では「証拠は語る〜誰が母を殺したのか?」というタイトルだった。そりゃ随分ベタな題名だが、内容を説明はしている。原題は<Trace>であっさり気味だが、オープニングテーマをわざわざ往年の名曲「悲し願い」(亡き母の願いにも思える歌詞)の情緒的なカヴァーを使用して、幼い頃母を殺された主人公のエマの執念の捜査を、彼女が就職した科学捜査研究所の女性のチームが支えるという、筋の通った話ではあったからだ。
 それが、シーズン2では何気に、「〜誰が母を殺したのか?」が消えてるぞ・・と思ったら、なーんだ!この展開!?
 呆れました。
 スタートは、シーズン1の終わりから直結である。
 スコットランドの北海側の港町、ダンディーを舞台にしたサスペンスは、シーズン1で、科学的証拠を積み上げて、母の死の真相を突き止めたところで終結。母を殺害した真犯人である、建設業者のフィル・マカフィー(ヴィンセント・リーガン)を起訴したまではいいのだが、その裁判は怪しい雰囲気に。エマ(モリー・ウィンザー)とフィルの息子であるダニエル(マーティン・コムストン)は、一応ラブラブで、ダニエルの母親の家で同棲中ではあるのだが・・、裁判の方は、弁護士の言葉に惑わされて、陪審員が科学的証拠を無視して被告を無罪に。なんと2話目にして、主人公のモリーは、フィルの復讐への恐怖と、不当判決への怒りからダニエルと失踪してしまうのだ。
 「街を出ます」というメッセージを受け取ったサラ(ローラ・フレイザー)は、当然怒り心頭だが、職場の親友キャシー(ジェニファー・スペンス)は、「若い時は、こんなもんよ・・」と軽くいなしておしまい。
 えええっ?と思ったが、なんとエマはこれ以降出てこない!長編ドラマなら、女優が妊娠でもしたのか?と勘ぐるところだが、ミニシリーズなのでありえないだろう。シーズン3まで決まっていて、エピソードを振り分けたのか?モリー・ウィンザーと誰かが大ゲンカでもしたのか?謎の展開だ。そもそも、ゴールド・ダガー賞作家の原案が、こんなことでいいのかね??

 その代わりということなのか、前シーズンは地味だった神経症、サラ・ゴードンと沈着冷静なレズビアン、キャシー・トランスは大活躍!
 キャシーには、ビジネス業界から送りこまれた新任の学部長が立ちはだかり、さらには恋人のピアから別れを切り出されて、森林地域での遺体捜索中にパニック障害の発作を起こす始末。
 サラの方も、大波乱!前シーズンでいい雰囲気になった無骨な刑事、ニール・マッキンヴェン警部補(マイケル・ナードン)の奥さんアズラ(ライラ・ロス)が登場!意外にも超肉感的なセクシー熟女で、データ分析菅として夫の捜査に加わり、ついでにサラとニールの関係に異常な感を働かせる!
 お互い、家庭のある二人の関係は・・・。しかし、これは・・そんなに必要なロマンスだったのか?
 イライラエピソードの中心だった、エマがいなくなった分、二人のおばさんのプライベート・エピソードが必要だということだろうが、一方で今回の事件は、ダンディーの街を恐怖に陥れる連続爆破事件で、そちらは容赦なく画面を緊迫させる。
 最後の方まで、なかなか尻尾をださない連続爆破犯の描写も秀逸。
 前のシーズンもそうだったが、このシーズンもオックスブリッジ的、権威のある英国大学教育のイメージからかけ離れた、(IT産業など実業を優先している)ダンティーという街の大学事情や、世界中を席巻しているウーバー労働の問題など、現代的な要素がふんだんに散りばめられている。

 サスペンスドラマとしての見応えは問題ないが、どーも話のバランスが気になって仕方がない。

「証拠は語る〜誰が母を殺したのか」シーズン1の評はこちら>>

By 寅松