ウーゼドム・ミステリー 罪深き母の捜査ファイル

ドイツとポーランドが同居する島で、女3代が活躍するメロドラマ・ミステリー!

Der Usedom-Krimi/Baltic Crimes
2014年~2019年 ドイツ カラーHD 105~130分 全6話 Razor Film Produktion / ARD AXNミステリーで放映
脚本:スカーレット・クライント、アルフレッド・ロースラー・クライント、ミヒャエル・ヴェルシャイネン 監督:アンドレアス・ヘルツォーク、オリヴァー・シュミッツ、ヨヘン・アレクサンダー・フライダンク ほか
出演:カトリン・ザース、リサ・マリア・ポットホフ、エマ・バディング、マックス・ホップ、レイナー・シャイエン、ペーター・シュナイダー ほか

 観光地としても有名らしいが、確かに風景がなかなか面白い。舞台となっているウーゼドム島は、バルト海に面した旧東ドイツの端で、島というよりバルト海に侵食されて、ちょっと残った陸地のような場所。バルト海と繋がるシュチェチン湖の外側の部分だ。面白いのは地形だけでなく、この陸地が途中からポーランド領になっているので、一つの島に2つの国が同居していることである。
 当然ながら、犯罪が起こるとお互いの国の警察は日常的に協力をしなければならない。しかし、もともと支配関係があった国同士、ドイツ人は内心やはりポーランド人を見下しているし、ポーランド人はドイツ人をよく思っていなかったりする。

 そんな2つの文化対立&文化融合が日常の特殊な土地を背景として、夫を撃ち殺して服役してきた元検事の母親カーリン・ロッソウ(カトリン・ザース)と、その娘で優秀な刑事だがストレスから暴走しがちなユリア・ティール(リサ・マリア・ポットホフ)、カーリンの孫にあたるユリアの娘、ゾフィー(エマ・バディング)という3代に渡る女たちが繰り広げるメロドラマ。そこに毎回事件が起こり、ミステリーの要素が少しだけ加わるという構成だ。
 最初の方は、それぞれのキャラが特殊なので、ちょいと方向性がつかめない出だしだ。のっけから刑務所から出てきた母親を娘が迎えに行くシーンである。娘は、まったく母親を許していない感じだが、母親の方が立派な人そうで、犯罪者という雰囲気は微塵もない。
 それはそうだろう。母親は、元は立派な検事だったのだ。彼女の犯した罪の真相は、順を追って少しづつ説明されるのだが、とにかくも家でシャワーを浴びていた警官である娘の銃で、夫を撃ち殺してしまったのだ。
 それでは、娘の方も簡単に許せるはずはない。

 しかし、この娘も刑事としては優秀だが、情緒不安定気味のようで、元警官で今はセキュリティ・システムの販売を手がける優しい夫ステファン(ペーター・シュナイダー)との家庭がありながら、ポーランド警察の刑事と肉食系不倫に邁進中。お母さん方も、出所してくるなり、面倒をみることになっている若い保護司と、そういう関係になてしまっているらしい。すごい親子だ!(笑)
 そして、孫娘ゾフィーもなかなかだ。設定は、まだ中学生くらいだと思うが、グレタちゃんに憧れて環境活動家として活動していて、過激な活動にも参加して、親たちも困り顔。ゾフィーを演じたエマ・バディングちゃんは、最初の登場時で16歳。それがどんどん手足が長くなって、まるでモデルさんみたいに成長してゆく姿が、このドラマの一番の見どころかもしれない。(もちろん、本物は、レズビアンらしいですが。)
 家族のプライベートがどうなるのか?という部分はなかなか見せるが、基本的に、発生する事件とミステリー部分は大した内容ではない。とはいえ、2014と2019では、ドラマの技術もだいぶ向上しているし、スタッフも変更になっている部分もあるので、後半になると緊張感は少し増すようになってくる。正直、後半お母さんが立派に活躍しだすと、そもそも夫を撃ち殺して刑務所に入っていた設定が必要でしたか??と、いう気持ちにさせられますけど。

 しかし、しかしだ!あれ!??
 全6話を通じて、家族内メロドラマが完結する話かと思ったら、なんだこれ!?

 この先は、ちょっとネタバレの可能性があるが、これを言わないことには、説明できないので失礼ます・・・・・。

 5話目で自分を犠牲にして、なんとか娘のゾフィーを守り、無実罪の犯人を収監するすることは避けたユリアだが、なんと6話目でつまらないことから、ポーランド側の麻薬を売りさばいているギャング組織に捕まって殺されてしまうのだ!
 なんだ、この死に方。
 その一方で、刑事を一時免職になったユリアに変わって、ウーゼドム生まれのデンマークの美人刑事が、後釜として赴任してきて捜査を始める。この美人さんのエレン・ノルガード(リッケ・リローフ)の名字を聞いて、カーリンは嫌な顔をするので、かつてなんかあった感じだが、そのへんも一切説明がない。
 おいおい、とんでもなく後味の悪いドラマだぞ〜!
 今時のミニシリーズで、こんなことあるのか!と、思っていたらやっぱり、そんなことでした・・。
 日本では、リサ・マリア・ポットホフが出演している6話までをひとまとめにして、まるでミニシリーズのように放送しましたが、実は本作自体は、この後も延々続いていて2021年に16話まで放送されているらしい。
 要するにリサさんが、出演作の関係か何かで、急遽降板することになり、ストーリー上やや不自然ながら、殺してしまったようなのです。その後は、お母さんのカーリンと、この後釜のエレンが、コンビで事件を解決してゆくらしい・・。なんだそりゃ!
 
 というわけで、ミニシリーズだと思って見たら、中途半端で後味悪くて、とほほなのでした。

By 寅松

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