ユーロビジョン歌合戦〜ファイア・サーガ物語〜

ウィル・フェレル復活を告げる。火山の国アイスランド発のロック・コメディ!

Eurovision Song Contest: The Story of Fire Saga
2020年 アメリカ・アイスランド・カナダ 123分 カラー ビスタサイズ Netflix Netflixで視聴可能
監督:デヴィッド・ドブキン 脚本:ウィル・フェレル、アンドリュー・スティール
出演:ウィル・フェレル、レイチェル・マクアダムス、ダン・スティーヴンス、ピアース・ブロスナン、デミ・ロヴァート、オラフル・ダッリ・オラフソン ほか

 最近、やや失速気味な感じだったウィル・フェレルが、『俺たちニュースキャスター』でジェスロ・タルを演奏(?)していたロック好きキャラを全面に押し出して製作・共同脚本・主演・歌を担当、笑って泣ける意外な大作コメディ(だって2時間越えだよ)を作り上げた。相手役に、『きみに読む物語』のレイチェル・マクアダムスがわざわざ出てくれるとは意外な気もするが、レイチェルも、もう40過ぎか。

 ユーロビジョン・ソング・コンテストは、1956年からヨーロッパ各国の放送局が参加して開催されている音楽コンテストで、歴代の優勝者にはジリオラ・チンクェッティ(1964年)、フランス・ギャル(65年)、ABBA(74年)、セリーヌ・ディオン(88年)などがいる。別に「歌合戦」ではなく、各局が他の国の歌に得点を分け与えて集計するという「コンテスト」なんだが、あまり知られていない「ユーロビジョン」の裏側が見れるのも楽しい。

 ……アイスランドの小さな港町フーサヴィ―クに住む少年ラースは、テレビでABBAの「恋のウォータールー」を聴いていきなり踊りだし、いつか「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」で優勝してみせると宣言する。その時、口もきけないのに一緒に踊っていた少女シグリット(レイチェル・マクアダムス)とラース(ウィル・フェレル)は成長してロックバンド「ファイア・サーガ」を組み、日夜作曲や練習・ライブ活動に頑張っていた。
 ある日、「ユーロビジョン」アイスランド代表を選考する音楽番組に(くじ引きで)参加した「ファイア・サーガ」は、本番で大失敗して大恥をかき、ラースの父エリック(ピアース・ブロスナン)は激怒。ところが、とある突発的事件で優勝者が出演不可能になり、「ファイア・サーガ」がスコットランドで行われる「ユーロビジョン」大会への出場権を勝ち取る。
 幼馴染でなかなか愛を打ち明けられないラースとシグリットに、ロシアのセクシー歌手レムトヴ(ダン・スティーヴンス)やギリシャの美人歌手ミタ(ステージパフォーマンスが超エロい)が絡んで、いろいろあった末に見事決勝に進んだ「ファイア・サーガ」は、予定とは違う曲を歌って失格になってしまうが……。

 荒々しいアイスランドの風景をフィーチャーした、なんだか「ゲーム・オブ・スローンズ」みたいなド派手なPV「♪ボルケーノ・マン(火山人間)」に驚かされるが、それは2人の妄想。「ファイア・サーガ」は地元の小さなライブハウスで歌ったことしかない。しかも、客(もちろんアイスランド人の地元民)はいつもノンキな歌「♪ヤォヤォ・ディンドン」ばかりリクエストするのだ。
 エントリー曲の「♪恋のダブル・トラブル」はじめ、よくわからない劇中曲がどれもよくできている。ウィル・フェレルは自分で歌っているようだが、かなり声量もあって十分ロックバンドのボーカリストに聴こえる。一方レイチェル・マクアダムスの歌が透明感があってとにかく素晴らしいのだが、さすがに吹替だろうと調べたら、やっぱりスウェーデンの歌手モリー・サンデーンという人でした。

 「ダウントン・アビー」のマシュー役ダン・スティーヴンスは、SM男子を引き連れたロシア語訛りのロッカー、元007のピアース・ブロスナンはアイスランド語をがなり立てる漁師(いつの間にか英語になる)でウィル・フェレルのお父さんという、考えてみるとこんな映画にもかかわらず(失礼)、それぞれかなりの難役に挑んでいる気もする。

 「ユーロビジョン」で優勝すると、次の大会を自国で開催しなければならないんだそうで、アイスランドは金がないので優勝したくないとか、アイスランド人はみな「エルフ」を信じてるとか、北欧を旅してるアメリカ人の「ゲーム・オブ・スローンズ」ファンやKポップ出身の韓国人エンジニアを小ばかにしたり、相変わらず細かいオタク的ギャグが散りばめられているし、ユーロビジョン出場の決定打になる“事件”がバカバカしすぎて即納得できるのも素晴らしい。
 とりあえず、サントラを速攻でポチりました!

by 無用ノ介

日本語トレーラー

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