トゥルース・シーカーズ 〜俺たち、パラノーマル解決隊〜

サイモン・ペッグ&ニック・フロストの超常現象ホラーコメディ!

Truth Seekers
2020年 イギリス カラーHD 30分 全8話 Stolen Picture /Sony Pictures Amazon Primeで視聴可能
クリエイター:ニック・フロスト、サイモン・ペッグ、ジェームス・セラフィノヴィッツ、ナット・サンダース 監督:ジム・フィールド・スミス
出演:ニック・フロスト、エマ・ディダンド・アーシー、サムソン・カヨ、マルコム・マクダウェル、サイモン・ペッグ、スーザン・ウォコマ、ジュリアン・バラット ほか

 サイモン・ペグ&ニック・フロストの仲良しコンビは、いまや現代イギリスのオタク・コメディーの巨匠といっても過言ではないだろう。『ショーン・オブ・ザ・デッド』にはじまり、『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』、『宇宙人ポール』、『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』とコンビで手がけたコメディはどれも爆笑もの。題材も大変オタク好みで、『ショーン・オブ・ザ・デッド』は血みどろホラー映画のパロディだし、『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』もある意味ホラーサスペンス。『宇宙人ポール』は宇宙人もの。『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』も地球征服SFだ。Netflixで公開された2018年作『スローターハウス・ルールズ』は、学園を舞台にしたホラーだった。そして、これまで映画がほとんどだった2人組が取り組んだ、本格TVシリーズがアマゾンオリジナルの本作だ。
 今回もオタク趣味は爆発!アイディアは、『パラノーマル・アクティビティ』+英国伝統の幽霊ものというシンプルなものだが、ニック・フロストが演じる主人公ガスが、超常現象/幽霊マニアで、<Truth Seekers>(真実の追求者)というYoutubeチャンネルを開設し、超常現象の検証番組を配信しているというのがミソ。ガスの現実の仕事が、今の世界で考えれば確かに多くの心霊現象などに悪影響を受けそうな、通信インフラの技術者であるところも笑える。
 今回フロストが主人公のガスで、サイモン・ペグは、彼が技術者として働く英国の総合ネットワーク企業「スマイル」の担当上司デイブを演じている。
 話は、あとから出てくる謎の女のコ、アストリッド(アーシー)の恐怖体験を描いた後、ガスの日常を描写。ガスの同居する父親(『時計仕掛けのオレンジ』の名優、マクダウェル)が階段に設置された(高齢者用の)昇降機で、まさに幽霊のように浮遊(しているように見える)する姿は爆笑ものだ。
 ガスがデイブに呼び出されて、頭の悪そうな黒人のデブの若者エルトン・ジョン(カヨ)を教育してくれと、助手として押し付けられるところから、メインの物語は始まる。ガスは「RG142同軸ケーブルの区別もつかないミレニアム世代のアホはいらない!」(字幕では単にケーブルと訳されているが)と抵抗するのだが、この弱気な若者、エルトンを連れてケーブルTVが見えないという老婆の家を訪ねると、どうも様子がおかしい。一度はケーブルを繋ぎ直し帰るが、二度目の苦情で再訪問すると、どうやらTVには本当にパラノーマルなものが写っているようだ。なんと、その真相は・・・。
 ガスは、どうやらエルトンが本当の超常現象の扉を開いていると直感し、このコンビでの真相究明の旅が始まる・・。
 ペグ&フロストコンビの映画/ドラマは、英国人気質というほどでもないがどれも、のっけから爆笑の連続のアメリカン・コメディとは一線を画している。最初はどうなのかあ・・と思っていると後半加速度的に面白くなるパターンだ。このドラマはコメディなのだが、心霊シーンもチンケではなく意外なほど怖いところが新しい。如何せん、イギリスなのでロケーションが実にホラー向き。古い屋敷、朽ち果てた廃墟、古い病院、工場跡地などなどとにかく本物を使用しているので映像の怖さも十分だ。
 そして、映画を撮ってきたペグ&フロストならではなのか?連続ドラマではあるが、それぞれの派手さより、全体として面白くなるように全ての伏線がひとつにつながってゆく。
 ガスが毎日聴いている、第二次世界大戦中から続いているという数字を読み上げるだけの暗号ラジオ放送。現代の人間としてはどうもファッションセンスがおかしい姿で登場する幽霊に取り憑かれているという女のコ、アストリッド。過去のトラウマがあり、パニック症候群で大勢の人と対面できないエルトンの姉、ヘレン(ウォコマ)。ヘレンが毎回出場を夢見ているコヴェントリーで行われるコスプレ大会「コブコルコスコン」と、そこで公演を行う心霊界のカリスマ、トインビー博士。
 それぞれ、単なるおふざけか?と思っていた設定が、すべてそれぞれに意味があり、最後はひとつにつながって、エルトンの過去とガスの過去をつなぐという趣向だ。意外なほど緊迫するクライマックスで話がでかくなるのもSFオタクならでは。
 爆笑連続のコメディーではなく、コメディ超常現象/ホラーサスペンスSF。そしてなにより、ニック・フロストの人の良さと優しさが滲み出ているドラマである。

by 寅松

日本語トレーラー

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