カーゴ

ゾンビ in ダウンアンダー!アボリジニは人類の最終兵器か!?

Cargo
2017 オーストラリア カラー スコープ 104分 Netflix / Netflixで配信
監督:ベン・ハウリング、ヨランダ・ラムケ 脚本:ヨランダ・ラムケ
出演:マーティン・フリーマン、シモーヌ・ランダース、アンソニー・ヘイズ、スージー・ポーター、カレン・ピストリウス、クリス・マッケイド

 すでに世界中に蔓延したゾンビ映画のパンデミック後の世界ということで、面倒な説明は一切しないという、いさぎよい展開がまず大変好ましい。
 アンディ(マーティン・フリーマン)と妻ケイ(スージー・ポーター)は幼い娘ロージーを連れて小型クルーザーで川を旅している。川辺でキャンプしている家族連れがいて、挨拶しようとするが相手は銃を取って警戒し相手にされない。うち捨てれたヨットで食料を調達したとき、ケイが何者かに襲われて脚をケガする……。
 徐々に、そこが「ゾンビ」ワールドだということがわかってくる。なぜか、みな(白人たち)は「発症」(ゾンビ化)までの時間が分かる腕時計みたいな機器を持っている。
 病院を探して地上に上がるが、旅の途中で妻は娘を夫に託す伝言を残してゾンビ化し、果てる。赤ん坊を連れた子連れ狼となったアンディは荒野を歩いて旅し、なぜかゾンビ化しないアボリジニをエサにしてゾンビ狩りをしている男ヴィック(アンソニー・ヘイズ)と出会う。しかし、赤ん坊の世話をしてくれた彼の愛人ロレイン(カレン・ピストリウス)との仲を疑われたアンディは、ゾンビのエサとして荒野の檻に入れられてしまう。檻にはアボリジニの子供トゥミー(シモーヌ・ランダース)もいた……。
 ゾンビ・ワールドの舞台としてオーストラリアの荒野はうってつけだ。物珍しさもあるし、美しいだけでなく、『マッドマックス』という先人がいるおかげで、オーストラリアの荒野=荒廃した世界という映画的常識がある。
 『ウォーキング・デッド』in『美しき冒険旅行』+『子連れ狼』あるいは『座頭市血笑旅』は、主人公が、やはりちょっとなさけないマーティン・フリーマンということで奥行きを増している。
 ひとり残っていた学校の教師が「生徒はみんな行ってしまったの」と言うので、ゾンビになったのかと思ったら、みなアボリジニなので、かつての生活に戻っただけだったというのが面白い。アボリジニたちは、ゾンビを「ゴースト=幽霊」と呼び、幽霊除けのペイントを体に施して、堂々とゾンビの群れと戦うのだ。

 ロージーを演じている赤ん坊が時折素晴らしい演技(?)をみせるし、エンディングもとてもよろしいが、できれば、赤ん坊以外に「荒野」「ゾンビ」に対抗しうる要素……例えば、自然の美しさ・驚異・動物(爬虫類とか)とか、『美しき冒険旅行』のような少女のヌード(生命の素晴らしさの象徴ね)とかを見せてくれれば……あるいはアボリジニのディジュリドゥを鳴らすとゾンビが逃げるとか、多少のユーモアがあればよかったのに、と少しだけ文句を付けたくなるくらい、かなり楽しめるゾンビものだ。
 ところで、ゾンビ化した人が、頭を地中に突っ込んで死んでいるのは、なにか記号があるのだろうか(ヤコペッティの映画で見たような気もする……)。他人を食べないための方法として確立しているのだろうか。ゾンビに詳しい人、教えてチョーだい。

by 無用ノ介

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